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【原神】ヌヴィレットの理想(最適)ステータス目安について武器ごとに徹底解説【会心,HP%】

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 ヌヴィレットの性能が判明したので最適ステータスを計算した.

 おおざっぱな性能として,ヌヴィレットは攻撃でなくHPを参照するキャラ.

 本記事では,最適ステータスについての解説も充実させたが,まずは細かな理屈は適宜飛ばして,「HPをどれくらい伸ばせばいいのか?」「会心ダメージはどれくらいあればいいのか?」などの温度感をざっくりと感じていただけたらと思う.

 以下の条件を置いている.

  • 聖遺物のメインステータスは,HP%時計/水ダメバフ%杯
  • ファントムハンター4セット(max会心率+36%)
  • 聖遺物サブopはKQM Standardsに基づく(HP込みスコアが171.6のもとで最適化)
  • チャージ要求は144.1%としており,金箔および餅武器は最低値の111%に設定(エネルギー補助があるため)

武器ごとのステータス最適値

 あくまでスコア170程度の中での最適値なので参考程度にとどめ,厳選の際はあまり気にしすぎない方が良い.

 各武器に対して,さらに会心ダメ冠か,もしくは会心率冠かで2パターン用意した.

金箔・試作型

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突破がHP41.3%,チャージ補助もできる(R5でエネルギー18回復)
毎ローテQを撃ったり,ローテが崩れても立て直しやすい万能武器.
鍛造で楽に作成できるのも強み

 冠が会心ダメージならサブopで会心率を稼ぎ.冠が会心率ならサブopで会心ダメージを稼ぐのがセオリー,

HP 会心 会心ダメ 補足
ダメ冠 35,700~39,934 80.7% 180%~220.7% 足りない会心を稼いだらHP%,会心ダメは適当でOK
優先度:会心 >> 会心ダメージ > HP%
率冠 40,188 87.3% 167.8% 足りない会心ダメージをサブopでガッツリ伸ばして1:2に近づけるイメージ
会心率は適当でOK
優先度:会心ダメージ = HP% >> 会心
HPも4万近く伸ばすのがベスト

 意外かもしれないが,金箔はHP%武器だが,率冠に限ってはさらにHP%を稼いだ方が最適.

 会心ダメージ冠の方がわずかながらDPSが上回るが好みでいい(2%しか変わらない).

新紀行武器

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会心率36.8%と非常に高い.
基礎攻撃力が低いがヌヴィレットには無関係.それどころかパッシブで最大HP%32~64%伸ばせる

 新紀行武器は会心ダメージ冠1択.なぜなら

  • 新紀行武器(36.8%)
  • ファントムハンター(36.0%)
  • 会心率冠(33.1)

 の3つまで加えると会心率が100%を勝手に超えるから.

 会心ダメージ冠でも,厳選時に意識せずとも会心率が90%くらい勝手に伸びるので,会心ダメージを伸ばしまくることを意識.

HP (R1/R5) 会心 会心ダメ 補足
ダメ冠 35178~ / 39151~ 97.7%~100% 214.2% / 220.8% R1優先度:会心率 > 会心ダメ = HP%
R5優先度:会心率 = 会心ダメ > HP%

 紀行武器R5までいくとHPが正味12%伸びるのは圧巻.当然,DPSに直結する.

 注意点としては爆発を打ちたい場合はチャージが重い.そのためチャージ140%程度は最低でも確保するべき.

餅武器

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会心ダメ88.4%, HP%補助,重撃ダメバフに加えエネルギー補助が優秀

 餅武器は会心ダメージが大きく,ヌヴィレット自身も突破が会心ダメで過剰.そこで冠は会心率冠とすることでバランスを取る.

と言いたいところだが,ややもすると会心率が100%を超えうるので会心ダメージ冠採用も一応記した.

 どちらもHP%が足りないので意識的に伸ばす.そうでないと同じスコアでもDPSが5%前後も落ちてしまいもったいない.

HP 会心 会心ダメ 補足
率冠 36,471 97.3%~100% 236.4% 優先度:HP% >> 会心率 > 会心ダメージ
ダメ冠 36,471 80.7% 269.5% 会心ダメは十分あるのでHP%と会心率を盛る.

 会心率の冠の方が理論値では4%DPSを上回る(会心比1:2に近づくため).

 ステータスの内容はここで終わりになる.

付録:最適ステータス導出アルゴリズム

 この節では,ヌヴィレットの最適ステータスをどのように導出したのか?を数学的に記す.

 数学に興味がある方だけ対象なので読まなくても全然大丈夫.

 想定する数学レベルは2次関数を学んだ高校生.

方針:1変数固定からの目的関数の二次関数への帰着

 繰り返すように,ヌヴィレットはHP参照キャラなのでダメージ期待値に関係する変数は次の3つ

  • HP% ( h と変数名をおく)
  • 会心率 ( r と変数名をおく)
  • 会心ダメージ ( d と変数名をおく)

 これをKQM Standardsの拘束条件下で縛り,さらに1文字固定をする(ここではHP%とする)ことでダメージ期待値 f(h_0,r,d) は1変数関数になる(もう少し詳しく述べると二次関数になる).

 そして固定していた変数 h_0 を動かしながら最適ステータス (h^*,r^*, d^*) を求める.

ダメージ期待値最大化問題の定式化

 KQM Standardsの拘束条件下でダメージ期待値を最大化する.

\begin{align} \text{maximize } & f = (1 + h)(1 + rd)\\ \text{subject to } & \frac{4}{3} h + 2 r + d = k_0\\ & r_m \leq r \leq r_M\\ & d_m \leq d \leq d_M\\ & h_m \leq h \leq h_M\\ \end{align}

 拘束条件の1個めはスコア一定と等価.それ以外の条件はステータスの最小,最大である.例えば会心率冠のときはステータスの会心r は100%を超えない( r_M = 1.0 ).

目的関数の2次関数帰着

 拘束条件およびHP%を h_0 と固定した上で目的関数 f は1変数の2次関数になることを見る.ここでは会心ダメージ d会心r で表現して文字を消す.

\begin{align*} f(r) &= (1 + h_0) (1 + rd)\\ &= (1 + h_0) \bigg \{ 1 + r \Big( k_0 - 2r - \frac{4}{3}h_0 \Big) \bigg \} \\ &= -2 (1 + h_0) \Bigg \{ r - \frac{1}{4} \Big(k_0 - \frac{4 h_0}{3}\Big) \Bigg \} ^2 + \text{const} \end{align*}

よって関数 f会心r についての上に凸の二次関数.

 これを最大化する最適会心r^*(h_0) は定義域に含まれているなら軸である.

\begin{align} r^*(h_0) = \max \Bigg[ \min \bigg\{ \frac{1}{4} \Big(k_0 - \frac{4 h_0}{3}\Big), r_M \bigg\}, r_m \Bigg] \end{align}

 また,会心ダメージ d会心率で表現できたので,最適会心ダメージ d^*(h_0) もすぐにわかる.

 d^* (h_0) = k_0 - 2 r^*(h_0) - \frac{4}{3} h_0

 あとは固定していた h_0 を動かすことで最適ステータスがわかる.ここまでの流れをまとめたアルゴリズムが以下になる.

\begin{align} h^* &= \arg\max_{h_0 \in [h_m, h_M]} f( h_0, r^*(h_0), d^*(h_0) )\\ r^* &= \max \Bigg[ \min \bigg\{ \frac{1}{4} \Big(k_0 - \frac{4 h^*}{3}\Big), r_M \bigg\}, r_m \Bigg]\\ d^* &= k_0 - 2 r^* - \frac{4}{3} h^* \end{align}

 例えば以下のグラフは餅武器&会ダメ冠に上記の手法を用いた結果である.

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 上のグラフがHPに対する最適な会心ダメージ d^*(h_0) および会心r^*(h_0) であり,下のグラフがその3変数を用いた時のダメージ期待値 f(h_0,r^*(h_0),d^*(h_0)) である(最大100%になるように正規化してある).

 最もダメージ期待値が出る(緑のグラフの値が最大となる)右の端点が最適値.つまりHP%と会心率と盛りつつ,会心ダメは控えた値が最適.

 これは餅武器と会心ダメ冠では会心ダメが過剰なので,HP%を伸ばさないとパランスが悪い(緑グラフよりDPSが最大3%落ちる)という直感的にも理解しやすい結果となっている.